昔描いたマンガを少しずつ捨てる

昔描いたマンガを少しずつ捨てる。

見返すと、変な汗をかくほど恥ずかしい。

しかし、数年隔てて見てみると、悪くはないな、と感じてしまった。

少なくともその時、気持ちを込めて描いていたものだとわかる。

そう思ったら、捨てられなくなった。

 

このマンガは、紙にシャーペンで描いたものをスキャンしてPCで加工して完成させるという不思議な手順を踏んで作られたので、この原稿を捨てても特に問題はない。

完成品は今もwebに公開しているし。

 

しかしなんだか、現物を捨てることが、当時の自分を否定するような気がしてしまった。

違う、違うのだ。

今できることだけをして、前に進みたいのだ。

できないことはできないしできることはできる。

できないことをできるフリしたり、できない自分を責めることは、一見努力に見えてただ後退させる行為だと知っているから。

 

人目を忍んで、まるで悪事を働いているかのようにマンガを描いていた自分がいた。

彼をそろそろ許してやれまいか。

彼は何も悪くなかったと。