【行動録】6月11日 綺麗だなと思った
9時半に目が覚める。
10時半まで布団でぼうっとする。
起きてからもダルさが抜けず、昼過ぎまでぐったり。
午後、親戚のファミリーが挨拶にくる。
難病のおばさんと初めて話す。ずっとニコニコしている。
純粋に、綺麗だなと思った。
見たところ血色もよく、肌も綺麗だが、こっちが軽く考える以上にずっと悪いのだろう。
なんとなく人の多いところに行きたくなり、新宿へ。
改札の中でも人ごみで、すごいエネルギーだなと思った。
試しに、個々の人間ではなく、群衆全てがひとまとまりの大きなエネルギー体として流れていると想像しながら、人ごみを歩いてみる。
すると、驚くことにあれほど苦手だった人ごみが平気になった。
それどころか、群衆のエネルギーが自分の身体を通過していくようで、なんだか楽しくなった。
こんな感覚は初めてだ。
冷やかしで世界堂に入ってみる。
パステルの色が綺麗で、心がうきうきした。色だけに身を任せて絵を描いてみたい、と思う。
しかし、具体的に道具を揃えたり、モチーフを探すことを想像すると、途端にうんざりした気分に落ちてしまった。
世界堂に展示されている絵の数点が、あまりに美しくて、心臓に痛みが走る。
画家の有名無名に関係なく、美しい絵は美しい。
その先に色々と考えてしまうと、例えば画家の名前だとか生涯だとか、技法だとか、職業としての画家だとか、現代における美術の意義とか・・・これまたうんざりする。
美しいなと感じる心、浮き立つ気持ち、それだけに身を任せて生きていけたら。
そのあと新宿御苑の周りを歩いてから帰ろうと思ったが、目に痛みが走り涙が出てきたので、大人しく帰った。
空は暗いけど、闇の向こう側で青色が発光しているような美しさだった。
文章にすると無駄に詩的で、きざな表現になるねー。
本当にそういう感じの綺麗さだったんだって。